道竅談 李涵虚(179)第二十一章 再び玄関について(解説4)

 道竅談 李涵虚(179)第二十一章 再び玄関について(解説4)

心が安定すると(死心)、生死のとらわれからも脱することができるようになる。それが「こうした境地は鬼神もはかり知ることができない」とされるものである。「鬼神」は祖先神をいうもので広く死者の世界を意味している。この一文には「これを離れては無常のとらわれから免れることはできない」とする注が付されているが、ここでの「無常」も死を意味している。およそ人として最もとらわれを持つのは「死」であろう。病気や生活の不満などは時として忘れることもできるが、「死」に関してはそれを気にし始めるとその苦しみは大きなものとなってしまう。

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