道竅談 李涵虚(205)第二十四章 「中」の意味(解説2)

 道竅談 李涵虚(205)第二十四章 「中」の意味(解説2)

ここでは「中」は「玄関」であるとする。つまり先天の世界へ通じるものであるということである。先天と後天が適切な均衡を保っているのが「中」となる。なぜ神仙道では先天の世界、「虚」の世界を設定しなければならなかったのか。それは後天の世界への執着から逃れるために他ならない。肉体を持った我々はどうしても後天(物質世界)のくびきから逃れることはできない。しかし非常の時にはそれを脱することもできないことではないのである。中国ではいろいろな理由から住んでいる地域を離れて流浪の旅に出た人がいた。こうした時に後天の世界(世間や家など)から離脱するための「力」の源泉として先天の世界(思考の世界、夢想の世界)があったのである。

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