道竅談 李涵虚(240)第二十七章 鼎器の奥義(解説2)

 道竅談 李涵虚(240)第二十七章 鼎器の奥義(解説2)

坎と離を「薬物」として、乾坤は「鼎器」であるという。「坎を採って離に充てる。ここに金が始めに還ることになる」とするのは、坎の「陽陰陽」の一陰が、離の「陽陰陽」に入って坎は「陰陰陰」で坤となり、離は「陽陽陽」で乾となるためである。坎と離が示しているのは後天の世界で、乾坤が示しているのは先天の世界とすることができる。後天の世界では交わりによる生成が行われるが、先天の世界には交わりはない。つまり坎は「陰陽陰」で離は「陽陰陽」であるから共に陰陽を有しているために交わりを持つことができるのであるが、乾坤は「陽陽陽」と「陰陰陰」の純陽、純陰であるために交わるところがないわけである。坎離は男女に代表されるように生と死を繰り返すが。乾坤は天地に代表されるように永遠に変わることがない。芭蕉は「不易流行」を知ることが大切であると教えたが、「不易」は先天、「流行」は後天であるので、やはり物事を深く見ようとするのであれば先天、後天の世界を開く必要があることになる。

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