道竅談 李涵虚(322)第三十九章 功なり名をとげたら身を引くの論(解説5)
道竅談 李涵虚(322)第三十九章 功なり名をとげたら身を引くの論(解説5)
「天の道」とは先にも四大で触れたように「自然の道」である。そうであるから功や名にはなんら執着すべきものではないことが、天の道を知れば分かることになる。つまり「余慶」も「余殃」にも執着しないのが「天の道」なのである。たとえ功名を得たとしてもそれを「余慶」とは考えない。重要なことはあるがままに人生を歩むことである。そうであるからいたずらに社会的な働きを嫌う隠士の道も適当ではないし、ただただ社会的な成功を願う生き方も取ることはない。これが「抱一還虚」とされる境地である。この「一を抱いて、虚に還る」の「一」は「虚」である。「無為自然」ということである。「自然」を抱いて、そこに還って行く生き方なのである。
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