三車秘旨(5)前言(解説4)
三車秘旨(5)前言(解説4)
第三の河車は「精と気を兼ねて運ぶ(精気兼運)」とする。つまり精と気が融合するということである。これはまた大周天ともいわれている。つまり第一の小周天があって、第二の温養、そして第三の大周天であるから、ここで述べられていることは一般的な神仙道の修行階梯と何ら違いのないものであることが分かる。他に「先天の金汞を運ぶ(運先天金汞)」とあるのは、心の一陽を開くことをいうもので、これは心と腎が静まって融合した時に生ずるとされる。心の一陽が開けば、腎の一陰が動いて、先天の純陽、純陰が開かれることになる。つまり心が調えば、体も整い、そして心身の協調が得られることを教えているわけである。「七返還丹」の七は火を象徴する数であり、九は金を象徴するとされている。五行説では金は土に次ぐ位置にある(土は金を生む)もので、火の次は土となる(火は土を生む)。つまり「火、土、金」と相生の関係の並びで「火」と「金」は土に近いわけで、この位置に還ることで「土=先天」を開くことが可能となる。
コメント
コメントを投稿