三車秘旨(10)第一の河車

 三車秘旨(10)第一の河車

(本文)

下丹田より心闕を熱する。これは夢から初めて目覚めた時と同じような状態であり、これを「活子の時」という。この時に急いで第一の河車を起こすことになる。ここに(河車の)運行を採るわけである。もしこの機を逃してしまえば、無形の気は変じて有形となる。これは「気」であり「壬鉛」でり「後天」であり「陽火」であるとされる。そうであるから「子の時に陽火を進める」というのである。「陽火を進める」とはどういったことであろうか。初めて夢から覚めたような気持ちをそのままに転じて、下鵲橋(会陰)へと移ることである。これは天コウ(北斗七星)の前の一位(北極星)とされる。また「請願不伝の真訣」でもある。この心を「天地の心」と称する。また「妙心」とも称する。また「元温」ともいう。また「真意」であり「玄関の発見」ともいう。

(解説)

「壬(みずのえ)鉛」は腎の一陽である。これを「火」として、心の「水」を熱するわけである。「気(氣)」という字は、米と水蒸気の象徴との組み合わせで出来ている。つまり米を蒸す時に発生する水蒸気の力が「氣」とされていたわけである。これを人体でいうなら心は「火」であり、腎は「水」であるから水火が逆転している。そのため静坐を行うことで腎の一陽(真火)を開き、心の一陰(真水)を開く。そうすると火は下になり、水は上に来るので「気」が生じる。北極星は宇宙の中心でこの星だけが動くことが無い。鵲橋は督脈と任脈の交わるところである。この一点(下鵲橋)は陰陽をむすぶ中心となる部位であり、これを北極星とする。そしてそこを中心に点を周る(周天)のが北斗七星である。つまり周天とは陰陽(静動)の合一にあるのである。


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