三車秘旨(11)第一の河車
三車秘旨(11)第一の河車
(本文)
(真気を)尾閭へと移し、守って乱れないようにする。少しの間、真気は温温(おんおん)とし、尾閭骨の尖の二つの穴から腰脊へと浸透させる。それを昇って玉枕へと至り、泥丸に入る。古仙は「(尾閭と)夾脊の二つの関を通って頂門へと至ることを修行において重んじている」と述べている。つまりはそういうことである。愚かな人は、運気を知らない。そうであるから舌を上顎に付けなければならないであるとか、そうして甘露を受けるのであるとかいう。これは笑うべきことであり、憐れむべきものでもあろう。こうした愚かなことを言うのは(正しい)師と巡り合っていないからである。
(解説)
ここでは尾閭から背骨にそって夾脊、玉枕、そして頭頂の泥丸へと至る真気のルートを開くことが示されている。尾閭で「温温」とするというのは温養とされるもので、一定の部位に「陽気」を留めることでその力を増して通り難い「関」を通そうとする。尾閭や夾脊などは「陽気」が通りにくい部位(関)とされている。また舌を上顎に付けるというのはここで背中からの気のルートである督脈と体の前の任脈が途切れているからという。督脈と任脈がつながると唾液が甘く感じられるとされる。ただここでは「陽気」ではなく「真気」が通るとしている。真気は自然に周天をしている。そうであるから尾閭で温養をすることもない。ここでは後天の陽気と先天の真気の解説をひとつにしている。意図的に先天後天の合一を言おうとしているのであろうが適切とは言い難い。
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