三車秘旨(12)第一の河車

 三車秘旨(12)第一の河車

(本文)

運気にはその一道を知る必要がある。気をただ「喉」に引き入れるのである。黄庭経には「玄気を服食することで、長生きができる」とある。これにより陽火の色は紫黒となる。これのみが「玄気」といわれる。服食の法には、口訣がなければならない。それを得ることで「気管」に玄気を入れることが可能となる。そうでなければ「食喉」へと入り込むことになってしまう。こうなると得丹の基を得ることなどできるものではない。陽気は「気喉」へと入れなければならない。そして「玄膺(げんよう)」へと至る。これはまた「玄ヨウ」とも言い、気がここに至れば壅塞(ようさい)されることになるが、俗人はこうした玄妙を知ることはない。

(解説)

ここでも後天のルートを「食喉」、先天を「気喉」として真気を巡らせる周天は先天のルートでなければならないことを強調する。「玄膺」の「よう」は胸のこと、「玄ヨウ」の「よう」は「塞がる」の意、「壅塞」は「ふさぐ」ということで、これらは「よう」という音の共通しているところから胸(中丹田)に気を留めて温養することの「玄妙」であることを教えている。胸は中丹田で、これは上丹田と下丹田をむすぶ働きを有する。静坐で重要なのは下丹田よりも中丹田である。本来、下丹田は臍の奥にあるが、これを気海という下腹の経穴として、そこに集中するのは気を鎮めるのに容易であるためであるが、気は自ずから上へと行こうとする。こうした自然な気の流れを押さえつけて、あえて気海に集中を続けたために白隠は「禅病」となった。


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