三車秘旨(14)第一の河車

 三車秘旨(14)第一の河車

(本文)

清気は丹田から出て、玄気は玄壅(胸)に入る。二気転換するのを「気化して水となって、心宮に注ぐ」という。つまり虚無の竅の内に落ちるわけである。これは宝となるものであり、裕(ゆた)かなるものでもある。これが築基である。築基が充分であれば、功はますます深くなる。そしてある時が訪れる。内面を見つめ(照常)て静坐をしていると、突然に丹田に「一物」が現れる。その時には、風雷の響くような「音」が感じられる。稲光のような「光」が感ぜられる。これは「後天の中の先天の薬」である。ここに第一の「車」はこれを運ぶものであることが分かる。これが泥丸に入ると化して液となる。これを服すると「玉液還丹」の入り口に立つことになる。これが結丹の初めである。これよりの修行は綿綿として絶えることのないようでなければならない。こうして根本を固める。そうして養丹の妙を極めるのであるが、それは以下に述べている。

(解説)

瞑想がある一定の深さになると「神秘体験」をすることがある。「二気転換」とは、心(陽陰陽)の一陽と、腎(陰陽陰)の一陰が「転換」することで、これは「転倒」といわれることもある。要するに心と腎とが深い協調関係に戻る、本来の状態に戻ることをいうことに他ならない。重要なことは「内面を見つめ(照常)て静坐を」することに尽きる。その時に「綿綿」で示されるような柔らかさと静けさを保持することが求められる。


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