三車秘旨(16)第二の河車

 三車秘旨(16)第二の河車

(本文)

それは虚空の彼方へと消えていくが、失われてしまうわけではない。ここでの秘訣には「神を体の中の気に返せば自ずから(虚へと)還る」とする。これはまさにこの時のことである。こうした状態を保持して日々に深めて行くと、こつ然として丹田には春の雪解けの水のような大いなる流れが生まれる。それを自然の内息で守り、烹て煉ると、この水はたちまちに化して熱気となる。

(解説)

よく坐禅で体が強ばるということを聞くが、そうした状態になるのは気血の流れが滞っているからである。ここでは集中にこだわらないことで、かえって丹田が活性化することを教えている。こうした状態の静坐を続けることが重要なのである。第二の河車で強調されるのは「自然の内息」である。これは太極拳などでも重要性されるが、「自然の内息」で最も重要なことは「綿綿(不断)」である。柔らかな自然な呼吸でなければならないのであり、けっして意図的な無理な呼吸をしてはならない。そのためには特別な「集中」をすることは好ましくないのである。


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