三車秘旨(55)道情詩詞
三車秘旨(55)道情詩詞
(本文)
「修道の人に道心の生まれるのは何処」
風の吹く泉に緑なす松と竹
いまだ平湖から十里ほどの平湖洞には及ばないのに
月は寒空にあって我が心も冷えて水のよう
たちまちに冷えた心に清涼を感ず
(解説)
平湖洞は洞天福地と称される修行に特に適した場所である。そうした特別な場所に居なくても自然の中、心が澄んで来ることを詠っている。ここで述べられている月を見た体験は一種のピーク体験(至高体験)である。こうした時の気持ちを充分に味わうことも大切であるが、それに捕らわれ過ぎるのも好ましくない。特定の「場所」にも、特別な「体験」にもあまり拘泥してしまうと本質を見失うことになる。
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