三車秘旨(79)道情詩詞
三車秘旨(79)道情詩詞
「虚空を吟ず 三首」
行うは安く、得るは難い
虚空を知ることなく丹は得られず
もし丹を練る鼎を安定させるところを求めるならば
いま居るところこそ広きこと天に比ぶ
これを好むは易く、これを楽しむは難し
虚空に丹を作ること無ければ
どこに薬を得るところを求めようとも
その壺の中こそが仙人たちの居るところ
得るは易く、守るは難し
虚空に丹を結びこと無く
どこに立命のところを求めようと
頭を起こして尾を噛んで一団の円となるのみ
(解説)
二首芽は「壺中天」のイメージを下敷きとしている。かつて費長房が一日の商売が終わると費は自分の持っている壺の中に入ってしまう。その中には夢の別世界があったとされる。つまり仙人の居るところは「壺」の中であることもあるのであり、それを知る人はそこに入ることができるが、それを知らない人はすぐ近くでも立ち入ることはできないのである。この三首で述べられているのは修行の環境は自分がある境地に入ればどこでも整うものであるということである。
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