三車秘旨(80)道情詩詞

 三車秘旨(80)道情詩詞

「修丹を吟ず」

按摩と導引の術は

逢い易くして成り難きもの

金丹の大道法は

逢い難くして行い易きもの

これを行うことのまた易からざるは

長生きを実践すること


天地に習って

性と情を鍛煉す

性と情とが交わって

空なる谷に声が響く

成就すれば変化あり


功夫は静と清にある

心清ければ気は静か

地下には雷が鳴り

雷が鳴れば天地が震える

二候に真精と出会い

龍虎が一戦を交えれば

戦場は大いに安らか


三陽は万竅を開き

採薬は中営に至る

これより十ヶ月

文火は胎児を養い

泥丸の頂きを破って

(仙人の住む)玉京へと飛び立つ


(解説)

ここでは「養胎(あるいは胎養)十ヶ月」の教えを述べている。「性」は先天、「情」は後天を象徴しており、これらが交わること、つまり先天後天が合一することで「空=虚」への悟りが得られる、これが煉己である。「地下に雷が鳴り」とあるのは、腎の一陽が開くことで、二候は腎のことである。龍は心、虎は腎で「一線を交えれば」とあるのは心と腎とが交わりを持つことである。三陽は三丹田、中営は中丹田である。中丹田で採薬をするのは神(上丹田)と精(下丹田)が融合をしているからである。こうして先天後天、心腎、神精がひとつになった状態を保つこと「十ヶ月」で胎児(本来の自分)が見いだされ、頭頂の泥丸から体外に出るとは後天の束縛を超越することを示している。この「十ヶ月」というのは十ヶ月で子供が生まれることから新たな自分が誕生する期間を象徴的に示すもので必ずしも十ヶ月に限るものではない。


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