三車秘旨(90)道情詩詞
三車秘旨(90)道情詩詞
「満江紅 第一体」
手を打ち大きな声で歌う
世の人の命の灯火のご如くなるを嘆く
虚しき波乱の人生に
死まで終ることなく
名利を求める場で空しく戦う
優れたる多くの詩書に丹訣を求め
何時の日にか海や空に遊ぶかと師に問う
我が説くところを信じて
それを味わい家から出ることなかれ
思いは捨て難く
情は絶ち難いもの
名のとらわれを解き
またあばら家へと帰る
黍や豆の種を受け継ぎ
喜びて緑なす野を耕す
山という「樽」に長生きを助ける黄菊を植える
我が白髪となるを待ち
まさにそれを飲もうと思う
(解説)
絶ち難い世俗への重い、またそれは煩わしいものでもある。相反する気持ちの中に人生の時間だけが過ぎていく。なかなか人はそれまでの人生の流れを変えることはできない。ましてや断ち切ることは不可能といえるのかもしれない。そこで中国では社会の変化を利用して自分の生き方を変えることを教えている。これがよく分かるのは『封神演義』である。同書では殷周革命を利用して神々の世界の再編成を行おうとする。つまり外的な変化を内的な変化に利用しようとするわけで、これはまた外的な変化がなければ内的な変化を促すのは難しいということでもある。静坐でも形を整えるだけで意識が変化すると教えている。
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